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「田中龍作ジャーナル」―川内原発、再稼働へ 過酷事故必至の究極見切り発車

「田中龍作ジャーナル」からの転載です。
■川内原発、再稼働へ 過酷事故必至の究極見切り発車
       2014年9月10日
   http://tanakaryusaku.jp/2014/09/00010015
 日頃は飄々としている田中委員長だが、きょうは表情も硬く下を向いたままだった。=10日、原子力規制庁 写真:筆者=
    http://tanakaryusaku.jp/wp-content/uploads/2014/09/3f81ae27badf059fcb7eef03bef56d7e.jpg   
 どんな手を使ってでも原発を再稼働させたい安倍政権の姿勢が露わになった。
 ウソで塗り固めた九電・川内原発の審査書案を、原子力規制委員会がきょう、承認したのである。再稼働への合格証書が与えられたのだ。
 川内原発は地元の同意さえ得られれば、今冬にも再稼働する。
 安倍首相が九電・貫正義会長に約束したとされる川内原発の再稼働をめぐっては、パブコメで多くの疑問が投げかけられていた。危険性が指摘されていたと言った方がよいだろう。きょうは寄せられたパブコメ(1万7,819通)の審査が行われた。
 筆頭に挙げられていたのが姶良カルデラの巨大噴火である。桜島を含む姶良カルデラが噴火すれば火砕流が川内原発に達することもある、と火山専門家は見ている。
 2~3ヵ月前に噴火を予知できたところで、使用済み核燃料をすべて取り出すのは不可能だ。川内原発は世界一恐ろしい原発とも言える。
 にもかかわらず巨大噴火の予知にあたって九電は、自らに好都合な学説を主張していた。巨大噴火は当分起こりそうにないというのである。
 きょう午前、開かれた審査会合で、原子力規制委員会(有識者)はこの学説を追認した。
 基準地震動についても大きな疑義が投げかけられていた。
 原子炉や建屋などを設計する際、構造や強度の規準となる「基準地震動」を、九電は過小評価していた。
 原子力規制庁(官僚)は「九電は断層の長さを見直している」などとかわした。
 求められているコアキャッチャーと二重の格納容器について、原子力規制庁は「他の方法でも問題ない」とした。「他の方法」とは何なのかは、一切明らかにしていない。
 
「きょうは形だけの決定をしないで下さい。住民の声を聞いてほしい」。鹿児島市から駆け付けた女性は原子力規制庁の職員に要請書を手渡した。=10日、原子力規制庁前 写真:筆者=
    http://tanakaryusaku.jp/wp-content/uploads/2014/09/05753138600bb328da72970c1b26d29f.jpg
 飛行機やミサイルが突っ込んだ場合のテロについては「発生確率が小さい事象についてはこれを想定し対策を実施することを要求していない」と楽観した。そのうえで「原子炉が大規模損壊する事象が発生した場合における体制の整備を要求している」とした。
 対策が施されているというわけではないのだ。「(申請者は)見直している」「(規制庁は)体制の整備を要求している」に過ぎないのだ。見切り発車以上のデタラメである。
 原子力推進院と揶揄された旧原子力保安院出身者たちは、恥ずかしげもなく申請者(九電)の代弁者となった。
 肝心要の住民避難については、きょうは全く議論されないままだった。
 パブコメに対する規制委員会の審議は駆け足で50分間行われたが、委員から異論らしい異論は出なかった。裏で規制庁と打ち合わせができているのではないかと思わせるほどだった―
 大島賢三委員「いずれにしても基本的には審査書案、回答案というのは非常に丁寧に検討された結果であり、私としてはこの決定を承認したい」。
 中村佳代子委員 「ご意見については非常に科学的な技術的合理的な答えを出していると判断しました」。
  続いて田中俊一委員長が「修正案について、この審査書はこれで了承するということで良いでしょうか?」と聞いた。委員を一べつし「ありがとうございました」と締めくくると傍聴者から怒号が上がった。11時20分きっかりだった。
 田中委員長は、あらかじめ取り付けていた原子力委員会と経産大臣の了承について職員から説明させた。そこでもまた異論は出なかった。
 そして、「本件について全ての委員から設置変更許可について賛成との見解をいただきましたので、原子力規制委員会として九州電力川内原発の設置変更許可を認めます」と宣言した。これが11時30分。
 パブコメの審議と併せてわずか1時間で再稼働承認の結論が出たのである。
 原子力規制委員会は、業者や政府から影響を受けない高い独立性を謳い文句に発足したはずではなかったか。
 安全神話の復活よりもひどい。2014年9月10日は、過酷事故の再発に向けてスタートを切る日となった。
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