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日本の表現の自由の危機的状況を世界に伝えよう カンパ募集

日本の表現の自由を伝える会(http://hyogen-tsutaeru.jimdo.com/)からの転載です。

■日本の表現の自由の危機的状況を世界に伝えよう カンパ募集
 4月12-19日、国連「表現の自由」特別報告者のディビッド・ケイさんが、日本を公式訪問し、日本の表現の自由について、政府・民間からヒアリングを行います。この時期に合わせて、国際人権法研究者の藤田早苗さん(英国エセックス大学人権センターフェロー)が一時帰国し、これまでの活動を踏まえて、国連「表現の自由」特別報告者の意味、日本の表現の自由が国際的にどう見られているか、などについての講演を各地で行います。
 藤田さんの帰国・滞在費用のカンパ30万円を募集します。ぜひご協力ください。
 
 ☆カンパ振込先
  郵便振替 口座番号:00870-7-216543
  加入者名:日本の表現の自由を伝える会

  http://hyogen-tsutaeru.jimdo.com/

 なお、藤田さんの講演会を希望する方は以下にご相談ください。日程調整いたします。
  seiko.unhr.foe@gmail.com
---------
日本の表現の自由の危機的状況を世界に伝えよう
日本国憲法21条によって、私たちには、表現の自由が保障されているはずです。
 また日本は国連自由権規約19条を批准しています。
 でも本当に「干渉されることなく意見を持つ権利」「あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む」表現の自由の権利は行使できているといえるでしょうか。
 日本の表現の自由は、とても世界に誇れる状態ではありません。私たち自身がこの状況をはっきりと知り、世界に伝え、そしてこの危機を突破し、真の表現の自由を手にするために努力しましょう。
 
◇ 藤田早苗さんの各地での講演の日程 ご紹介
 国連「表現の自由」特別報告者のディビッド・ケイさんの来日時期に合わせて、藤田早苗さん(英国エセックス大学人権センターフェロー)が、 一時帰国し、これまでの活動を踏まえて、国連「表現の自由」特別報告者の意味、日本の表現の自由が国際的にどう見られているか、などについての講演を各地で行います。
 ぜひご参加ください。(詳細は、各主催者のサイトを参照して下さい)
  「伝える会」トップページに若干詳しく掲載しています。
  (講演日程が増えれば、順次アップしていきます)
        ↓  
   http://hyogen-tsutaeru.jimdo.com/

☆【大阪】 4/8(金)
 日本の自由と人権侵害にもの申す!国連の静かなる闘い~知っていますか?国連のこと。
・国連「表現の自由」特別報告者公式訪問について 藤田 早苗さん 
・「個人通報制度の確立に向けて」武村 二三夫弁護士
・「被害者不在の日韓合意は解決ではない」  日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークから
 日時/2016年4月8日(金) 18:30~
 場所/エルおおさか 南館72(7階)
 主催/戦争あかん!ロックアクション
 http://himitsulock.hatenablog.com/entry/2016/03/30/134449

☆【愛知】 4/10(日)
 秘密保全法に反対する愛知の会4周年総会+記念講演
・特別報告/国連「表現の自由」特別報告者公式訪問について  藤田 早苗さん
・記念講演/「憲法から考える『安全』と『安心』」  講師 森英樹さん(名古屋大学名誉教授・憲法)
 日時/2016年4月10日(日) 《総会》13:15~14:15  《記念講演》14:30~16:30
 場所/ウィルあいち大会議室
 チラシ http://nagoya.ombudsman.jp/himitsu/160410.pdf
 主催/秘密保全法に反対する愛知の会 http://nohimityu.exblog.jp/25389090/
 【TEL】052-910-7721 【Eメール】no_himitsu@yahoo.co.jp
 【facebook】https://www.facebook.com/nohimityu/

☆【東京】 4/21(木)
 国際人権、日本の表現の自由に関する学習会
   講師 藤田早苗さん
 日時/4月21日(木)16時~18時
 場所/ 参議院会議室B104会議室
 主催/「秘密保護法」廃止へ!実行委員会
  http://www.himituho.com/
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日本の表現の自由を伝える会
  TEL 052-953-8052 FAX 052-953-8050  
  Email: seiko.unhr.foe@gmail.com
  http://hyogen-tsutaeru.jimdo.com/
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ビデオニュース・ドットコム―政治介入を許さないためにメディアはまず自らを律せよ

ビデオニュース・ドットコムからの転載です。
■政治介入を許さないためにメディアはまず自らを律せよ
ニュース・コメンタリー (2016年3月26日)

   http://www.videonews.com/commentary/160326-01/
   https://youtu.be/4JK6retVDIs
 高市早苗総務相が放送局の電波停止の可能性に言及したことに抗議するため、田原総一朗さんらテレビの著名なキャスターやコメンテーター5人が3月24日、日本外国特派員協会で記者会見した。
 ところが、「権力の言論への介入は許さない」、「政治家の発言は現場の萎縮を招く」と安倍政権批判を展開するキャスターたちに対して、会場の外国特派員等からは、なぜ政治家がその程度の発言ををしただけで日本のメディアは萎縮してしまうのかについて疑問があがったほか、「日本のメディアと政治との近すぎる関係」や「記者クラブ制度」に対する批判までが飛び出すなど、会見自体はやや予想外の展開となった。
 会見を行ったのは田原氏のほか、TBS「NEWS23」のアンカーを務める岸井成格、テレビ朝日「ザ・スクープ」のキャスター鳥越俊太郎、テレビ朝日などでコメンテータ-を務める大谷昭宏、同じくテレビ朝日コメンテーター青木理の5氏。
 岸井氏は、「高市総務大臣の発言は黙って聞き逃すことのできない暴言。謝罪して撤回するのか、このまま開き直るのか、非常に重大な局面だ」と危機感を露わにした上で、「最も大事なことは、ジャーナリズムとして政権がおかしな方向に行ったときはそれをチェックし、ブレーキをかけるのが最終的な使命。それが果たせなかったとすればジャーナリズムは死んだもと同じ。その役割を果たしたことがひょっとして偏向報道だと言うのであれば、これと真っ向から対決せざるを得ない」と語った。
 田原氏は政治家が圧力発言があると「局の上層部が萎縮してしまう」と指摘し、鳥越氏も「番組企画はすべて事前に編成や経営幹部にチェックされるようになってしまった」と、高市発言のメディアに対する影響の大きさを指摘した。

 しかし、質疑応答が始まると、会場から厳しい質問が相次いだ。
 前ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏は「圧力というが、日本では中国のように政権を批判すると逮捕されるわけではない。なぜ、日本のメディアはこんなに萎縮するのか。どのような圧力がかかるのか、そのメカニズムを教えて欲しい」と質問した。
 これに対し岸井氏は「政権側の今のやり方は非常に巧妙。正々堂々と言ってこない」「日本のメディアが一斉に反発できなかったのは、まさかあんな暴言が出るとは想像もしなかったから」などと回答するが、具体的な圧力の中身やその程度で萎縮しなければならない理由については明確な回答がなかった。
 そこで、次にビデオニュース・ドットコムの神保哲生が、「なぜあの程度のことでそこまで萎縮しなければならないかについては、まだ明確に答えてもらえていない。NHKは人事や予算が国会に握られているから(政治家に対して弱腰なのは)まだわかるが、民放や新聞社はそんな発言は本来、放っておけばいいだけではないか。これまで日本のメディアは政府と持ちつ持たれつの関係に身を置くことで、さまざまな特権を享受してきた。だから政治に何か言われると無視できないのではないか」と質した。また、その後、香港フェニックステレビの李淼(リーミャオ)東京支局長も、「そもそもみなさんは記者クラブ制度をどう考えているのか。また、日本の場合は電波を少数のメディアが握っているため規制を受けている。この放送法の枠組みをどう思うのか」と続いた。
 これに対して岸井氏は「自分は記者クラブ制度に助けられて取材をしてきたので言いにくいが」と前置きをしつつも、「ここにきて非常に弊害が目立つようになってきたことは間違いない。結論は廃止したほうがいい」と答えた。鳥越氏も「閉鎖的な記者クラブは廃止すべきだ」と続いた。

 ビデオニュース・ドットコムでは15年前の開局時から一貫して日本のメディアと政治の関わりを問題視してきた。記者クラブ、再販、クロスオーナシップ、そしてここに来ての軽減税率と、メディアが様々な特権と引き換えに、政治に取り込まれているのではないかという問題意識がその前提にあった。
 ここにきて安倍政権がメディアに対する介入の姿勢を明確に見せるようになったことについても、ここまでは安倍政権が強権を発動しているわけではないことから、むしろメディア側が圧力に対して脆弱な立場に身を置いているところに問題の本質があるとの立場を取ってきた。
 その考えは基本的に今も変わらない。いやしくもジャーナリズムを名乗る以上、政治との間に明確な一線を引き、緊張感のある関係を維持しなければ、権力監視の役割など務まるわけがない。政権幹部との頻繁な会食などはもってのほか。記者クラブや懇談などを通じ政治家と「肝胆相照らす」関係になることは、ジャーナリズムにとっての自殺行為だ。
 どこの国でも権力は政治や言論をコントロールしたいし、あの手この手を使い、それを試みる。それ自体は珍しいことではない。だからこそ、メディア側はそれに太刀打ちできるよう、日頃から独立した立場を守っておかなければならないのだ。
 しかし、安倍政権がこれまでの歴代政権と比べて、メディアコントロールに並々ならぬ意欲を燃やしていることもまた事実だ。「紙や発言だけ」とは言え、現在の政治とメディアの関係の下でそれがメディアに対してどれだけ萎縮効果をもたらすものかを十分熟知した上で、非常に計算した発言を繰り返している。この事実を甘くみてはならないし、こうした圧力に対して徹底的に対抗しなければならない。安倍政権の言論に対する姿勢に、根本的な問題があることは指摘するまでもない。だからこそ、今こそメディアはこれまでの政治との持ちつ持たれつの関係を悔い改め、自らの身を律して政治と対峙しなければならないのだ。

 記者クラブ制度については、会見の中で青木理氏が重要な指摘をしている。
 「公共機関の中にああいう形でクラブというメディアの拠点があるのは決して悪いことではないと思う。公開性、多様な参加ができるような改革は必要だが、記者クラブを廃止することでジャーナリズムの根っこが壊れてしまうのは問題だと思う。」
 問題の本質を突いた重要な指摘だ。何かに問題がある時、問題箇所を直すために、他のいいものまで一緒に壊してしまい、後で後悔することは多い。問題は記者クラブという部屋が各省庁内にあり、そこに記者が常駐していることではなく、そこへのアクセスを国内の新聞社とテレビ局と通信社だけが独占していることにある。記者クラブ制度に問題があるのではなく、閉鎖的・少数独占的な記者クラブの在り方に問題があるのだ。
 記者クラブにしても再販にしてもクロスオーナーシップにしても、その少数独占は政府から認められた特権であることを認識しなければならない。それは癒着以外の何物でもない。日本のメディアはその特権故に、極端に政治家や官僚に対して脆弱な立場に自らの身を置いていることを改めて自覚して欲しい。

 政治からちょっかいを出された時に、それを蹴飛ばせるような立場を守るためには、日本のマスメディアはまず特権を放棄し、政治との癒着関係を解消しなければならない。そしてそれは単に記者クラブ制度を廃止することではなく、制度を維持しつつ、それを外国記者や他のメディアやフリーランスに対しても開放すればいいだけの話だ。
 記者クラブは元々、戦前の日本で、メディアが連帯を汲んで政府に情報の開示を要求したことに、その起源がある。本来は政府に対抗するための組織だったものが、いつのまにか一握りの特定の事業者の利権となり、政治に取り込まれてしまった。今や本来の趣旨とは真逆の、メディアが政府に対して自らの身を弱い立場に置く原因となっている。
 安倍政権は、日本の大手マスメディアが、どれだけ権力の介入に脆弱かを、身をもって証明してしまった。時の政権のメディアに対する影響力の強さがわかってしまった以上、今後の政権がそれを利用しないわけがない。安倍政権はメディアに対して、自分たちのアキレス腱がどこにあるかを教えてくれたのだ。メディア側はこの機会を活かさない手はない。
 期せずして外国特派員協会のキャスター会見で浮上した、外国特派員たちが日本における政治とメディアの関係に対して日頃から抱いている違和感の中身を、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

ビデオニュース・ドットコム―日本では政治家に放送の政治的公平性を判断させるのか

ビデオニュース・ドットコムからの転載です。
■日本では政治家に放送の政治的公平性を判断させるのか 
  鈴木秀美氏(慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授)
   マル激トーク・オン・ディマンド 第775回(2016年2月13日)

     http://www.videonews.com/marugeki-talk/775/
     https://youtu.be/m9FB_MGYlvU
 日本は他の民主主義の国々と同様に、憲法で表現の自由を保障している。だから、代表的な言論機関の一つである放送にも、政府や政治権力が介入することは憲法違反であり、あってはならない。しかし、かといって、世論に絶大な影響力を持つ放送事業者に、好き勝手にやらせておくわけにもいかない。そこには真実性や公平性、公共性に対する一定の縛りがあって然るべきだろう。そこで他の先進国では、まずは放送事業者に自律的に自らの放送内容の真実性や公平性に責任を持たせた上で、それに対して市民が不断の監視を行える仕組みを工夫して作っている。
 しかし、日本はそのような制度を作ることができていない。結果として、放送は政府の監督下に置かれている。そして、安倍政権になって、いよいよ放送への介入が強まっている。

 今週は高市早苗総務相が、条件付きながら「停波」にまで踏み込んだ発言を行い、それを受けて政府は単一の番組の中で一定の中立性が保たれなければならないとする統一見解を打ち出した。安倍政権の放送への介入姿勢が、また一段ステップアップしたと見ていいだろう。
 2月10日の衆議院予算委員会では安倍首相自身が、2014年11月にTBSのニュース23クロスに出演した際に、番組の編集方針に注文を付けたことについて堂々と、一出演者として注文を付けてはいけないと言うほうがおかしいと主張している。
 「私の考えを述べるのはまさに言論の自由だ」首相は昨年3月の予算委員会でもこう語り、首相が放送の編集に注文を付ける行為が、憲法や放送法が禁じる違法行為に当たるとの認識は一切持ち合わせていないことを明らかにしている。
 今、直ちに放送局が政治的公平性を理由に停波の処分を受けるようなことは考えにくいが、こうした一連の発言が放送局に有形無形の圧力となり、大きな萎縮効果を与えることは避けられない。首相自身は過去にも「本当に萎縮しているのであれば報道機関にとって恥ずかしいこと」などと語っており、そこには放送局にとっても反省すべき点があるのも事実だが、それは絶大な政治権力を持つ内閣総理大臣自身が言うべき言葉ではない。

 そもそも安倍政権による一連の放送への介入の背景には、放送法の解釈に対する根本的な誤解があるようだ。
 言うまでもなく、日本は憲法第21条で表現の自由を保障している。それは何を言ってもいいという意味ではなく、政府が個人の表現の自由を犯すような法律を作ったり、そのような権力の行使をしてはならないことが定められているということだ。
 そして、その憲法の下に放送法が存在する。それが、放送法第1条の「放送の不偏不党」が放送局に党派色のある報道を禁じているのではなく、放送への特定の政治勢力の介入を許してはならないと解される所以だ。同じく放送法の1条は放送の自律を保障し、同3条は「何人からも干渉され、又は規律されることがない」ことを定めている。憲法21条は言うに及ばず、放送法の1条と3条は、放送局に対する法律というよりも、政府の行動を律する法律と解されている。
 全ての法律が憲法に則っている以上当然のことではあるが、放送法の1条と3条を読む限り、政治権力は放送には介入できず、放送局が自らを律することによって真実性や政治的中立性が担保されるというのが、放送法の精神であり、少なくともそれが伝統的な解釈だった。論理的には、安倍政権の放送法の解釈が間違っているか、それが正しければ放送法が憲法違反かの、いずれかの可能性しかありえないのだ。
 ところが、放送法には第4条に「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」などの記述がある。これを憲法第21条や放送法の1条、3条を前提に読めば、それが放送局が自律的に担保しなければならない「倫理規定」であることは明白だが、憲法やそれ以前の条文の存在を無視して、4条だけを単独で読めば、放送局には政治的な公平性が求められており、政府はそれを前提に放送局に対して一定の強制力を持つと解することができると、政府は主張する。そして、そのような理由から、政府は放送局に対して行政指導を行う権限があり、違反行為が繰り返される場合は停波、つまり放送を止める権限もあるというのが、今回の高市発言の根拠となっている。

 慶應義塾大学教授で、放送法などメディア法に詳しいゲストの鈴木秀美氏によると、放送法4条は法律の制定当初からつい最近までは倫理規定と解されていた。実際、放送法が制定された1950年の国会で、当時の網島毅電波監理長官が法案の提案理由説明の中で、放送法は表現の自由を根本原則として掲げたもので、「政府は放送番組に対する検閲、監督等は一切行わない」と明言している。そのため、4条に定められた番組基準も、あくまで放送局自身が自律的に担保すべき倫理規定と解されてきた。
 しかし、世論に対するテレビの影響力が強くなるのに呼応して、1990年代になってから、特にテレビ朝日の「椿発言」などを契機に、郵政省(現総務省)は放送法4条には法規範性、つまり強制力があるとする解釈を打ち出すようになり、実際にそのような解釈に基づいて、放送局に対する行政指導が行われるようになった。そうした解釈は違憲の疑いが強いが、行政指導を受けた放送局が指導に唯々諾々と従うばかりで、裁判に訴えたりしないため、この解釈の合憲性をめぐる司法判断はまだ示されていない。現状では総務省が一方的にそのような解釈を打ち出し、それに基づいて権力行使が行われている状態だ。その一方的な解釈に基づいて、今回、総務大臣がいよいよ究極的な権力の行使ともいうべき「停波」にまで踏み込んだことになる。
 しかし、政府が放送内容に介入する行為は、そもそも放送法第1条で保障された「不偏不党」や「自律」の原則に反する。政府こそが最大の政治権力であり、その介入はいかような判断であっても、多分に党派性を帯びたものになるからだ。政治家に放送の政治的な中立性を判断する権限を許し、政府による一方的な法解釈に基づいて行政権力を振るう愚を、今、われわれは放置しているのだ。

 そもそも日本は放送免許を政府が直接付与する、先進国の中では異常な放送行政の制度を採用している。戦前の大本営発表に対する反省から、GHQは電波監理委員会という独立行政組織を設け、そこに政府から独立した形で放送行政を監理させることで、特定の政治勢力による放送への介入を阻止する制度を積極的に構築した。しかし、1952年にサンフランシスコ講和条約が発効し、日本が施政権を回復すると、吉田茂内閣はただちに電波監理委員会を廃止して、放送免許は戦前と同様に、政府管理の下に置かれた。
 放送免許という生殺与奪を握られた放送局は、最後は政府の意向を無視することができない。政府による一方的な放送法の解釈がまかり通るのも、不当な介入に対して放送局が裁判に訴えるなどして本気で戦うことができないのも、免許という命綱を握られているからだ。政府が免許権限を握っているからこそ、「停波」などという話がでてくるのだ。
 まずは、先進国としては異常な現在の放送免許の制度を正常化し、国民の知る権利を担保する民主主義の重要なツールである放送に対して、政治が有形無形の介入をできないような制度に改革する必要がある。それがない限り、一旦、政治権力を握った勢力が、放送という強力な宣伝ツールを自らの政治目的のために最大限活用しようとするのは当然のことであり、避けられないことだ。放送をめぐる現在の状況は、起こるべくして起きていると言わざるを得ないだろう。

 その一方で、放送局の側にも問題は多い。多くの特権を享受し、政府と持ちつもたれつの関係に甘んじる中で、美味しい汁を啜ってきた。いざ権力が牙をむき出しにしてきた時、ぬるま湯体質にどっぷりと漬かった放送局には、権力と真向から喧嘩をする気概も力量もないというのが現状だろう。
 しかし、電波はそもそも国民共有の資産であり政府の所有物ではない。また、その貴重にして希少な資産を使って行われる放送事業は、国民の公共の利益に資する目的で営まれるべきであり、放送事業者という個々の私企業の利益のためでもなければ、ましてや特定の政治権力のために使われていいはずがない。
 高市発言によってより鮮明になった政権の放送への介入問題と、公平な放送をいかに実現していくべきかなどについて、ゲストの鈴木秀美氏とともにジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
 
鈴木秀美(すずき ひでみ)/慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授
 1959年静岡県生まれ。82年慶應義塾大学法学部卒業。85年同大学大学院法学研究科修士課程修了。90年同大学院博士後期課程単位取得退学。広島大学教授、日本大学教授、大阪大学教授などを経て2015年より現職。博士(法学)。著書に『放送の自由』、共著に『放送法を読みとく』など。

田中龍作ジャーナル―戦争法・特集10ページ 『週刊女性』がジャーナリズム最後の砦に!?

田中龍作ジャーナルからの転載です。
■戦争法・特集10ページ 『週刊女性』がジャーナリズム最後の砦に!?
          2016年2月13日
   http://tanakaryusaku.jp/2016/02/00012965
 戦争法の強行採決から早や5ヶ月。国会周辺を歩いても抗議の人影はない。
 連日の雨の中、機動隊のバリケードを覆した人波はどこへ行ってしまったのか。
 済んだ事を忘れやすいと言われる日本人。戦争法制に続いて自民党が狙う改憲案の恐ろしさに警鐘を鳴らす特集を組んだのは、今週発売された『週刊女性』(2月23日号)だ。
 「10P大特集 憲法を変えて戦争をする国になるの? 安保法制の次は改憲?日本はどう変わるのか・・・徹底検証」は、のっけから緊急事態条項の解説で始まる。
 「お試し改憲―。ナチスの手口 緊急事態条項で憲法ストップ!やりたい放題独裁に!」と見出しが躍る。

 核心を突いた企画は、権力におもねる新聞テレビには到底できない。
 特集では、「憲法カフェ」「18歳選挙年齢引き下げ」「高校生デモとティーンズソウル」「野党議員のインタビュー」など、今までの戦争法反対運動の流れを網羅している。
 国会周辺で何が行なわれていたのか知らない女性達に「こんなことがあったんだ・・・」と気づかせてくれる内容だ。
 女性週刊誌なんて美容、芸能人にグルメばっかり・・そうおもったアナタは周回遅れだ。「甘利疑惑」にもちゃんと2ページ割いている。「ワイロってズルくないか?」と女の直感に訴えているのだ。
 政権におもねって、戦争法制反対を唱えるキャスターを交代させるTV局。緊急事態条項の恐ろしさを記事にしない大新聞。全国津々浦々まで行き渡り、戦争法制と改憲案に警鐘を鳴らす最後の砦は、女性週刊誌になってしまうのかもしれない。

ビデオニュース・ドットコム―2016年、われわれを待ちうけているもの

ビデオニュース・ドットコムからの転載です。
■2016年、われわれを待ちうけているもの
小幡績氏(慶應義塾大学大学院准教授)、萱野稔人氏(津田塾大学学芸学部教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第769回(2016年1月2日)

    http://www.videonews.com/marugeki-talk/769/
     https://youtu.be/NkrCDNq4Om0
 前年から引きずってきた難しい世界の情勢は、今年もますます難しくなりそうだ。
 2016年最初のマル激はこの番組ではお馴染みの経済学者・小幡績氏と哲学者・萱野稔人氏を招き、今年1年、日本と世界がどこに向かっていくのかについて考えてみた。
 今年2016年はオリンピック・イヤーであり、8月にブラジルのリオでオリンピックが開かれる。オリンピック・イヤーということは、アメリカの大統領選挙の年でもある。今回の大統領選挙はオバマ大統領の2期8年の任期満了を受けての選挙となるため、新しい大統領が誕生する。そして、日本では5月に伊勢志摩サミットが、7月に参院選挙が予定される。政治的には非常に盛りだくさんの年だ。

 政治の年ということは、世の中を大きく変えるチャンスの年となるはずだが、実際は重苦しい空気が拭い切れない。安倍政権が2017年4月の実行を公約した消費税増税の凍結を問う形でダブル選挙に打って出て、衆参両院で与党が大勝する可能性が高いからだ。あと半年ちょっとでダブル選挙の可能性が取りざたされているにもかかわらず、野党はいまだに足並みが揃わない。メディアは新聞が軽減税率という餌に食いついてしまったために、増税凍結を批判することが難しい。自分たちは免除される税金を、他の人たちには課すべしとする論陣を張れるわけがない。そんなことから、このままダブル選挙に突入すれば、野党協力もメディアのチェックもないところで、不戦勝に近い形で与党が大勝する可能性が極めて高い。そのようなシナリオを念頭に置きつつ、2016年の政治日程は進んでいくことになるだろう。
 普通、有権者は増税が嫌いだ、増税の凍結を問う形で選挙に打って出れば、与党が大勝するというのが政治の定石だ。しかし、小幡氏は有権者はそれほど甘くはないかもしれないと言う。確かに短期的には増税は痛いが、世論調査などの結果を見ると、財政がここまで悪化した今日、これで消費税増税をやめれば、長期的には自殺行為になることに、多くの有権者が気づき始めているように見えるからだ。

 国外に目を転じると、経済面でも軍事面でもアメリカの影響力の凋落ぶりがより顕著になってきた。当面は中国の、そしていずれはそれにインドが加わる形で、世界の覇権の軸が大きく動き始めていることはもはや否定のしようがない。
 そうした中にあって、日本は今のところ、影響力が低下しているアメリカを軍事的・経済的に補完することで、中国と対峙し、国際社会における自らの地位を確保する外交路線を選択している。これについて萱野氏は、第二次大戦で日本は、ドイツが連合国に勝つと考え、ドイツ側に付いた結果、国民に大変な災禍を招くこととなったことを忘れてはならないと警鐘を鳴らす。

 一方で、小幡氏は安倍政権はまた「GDP600兆円」や「1億総活躍」などの日本経済の強化策を打ち出すが、今のところ成長戦略に実効性のあるものは見られないため、2016年はアベノミクスの副作用が顕在化する年になる可能性が高いと指摘する。アベノミクスの主眼である金融緩和によって、長年続いたデフレマインドが正常に戻ったことや、大企業を中心に円安によって潤う企業は出たことには一定の評価を与えるが、実質所得が増えていない大多数の国民は、円安によって原材料の価格が上昇することで生活コストが上がり、一人ひとりの生活はより困難になっていると小幡氏は言う。
 2016年は日本でも更に格差が拡大し、中間層の分解が進む。萱野氏はその副作用として、今後ますます社会の中のヘイト(憎悪)感情が広がる可能性を懸念する。しかも、従来の嫌韓、嫌中といった在日外国人に向けられるものに加え、日本人の世代間のヘイトが強まる恐れがあるという。既に若者を中心に中高年世代に向けたヘイトの傾向が出始めている。
 どうも日本がこのまま現在の路線を突き進めば、中間層の分解が進み格差は広がる。ヘイト感情が蔓延することで社会はすさみ、社会の連帯感はますます希薄になる。そのような路線を邁進していることを、われわれは自覚できているだろうか。また、そうだとすれば、それはやむを得ないことなのか。他に答えはないのか。
 2016年、われわれの前に横たわる難問とそれを解決する手段、そしてそこに辿り着く経路を、経済学者の小幡績氏、哲学者の萱野稔人氏とともに、神保哲生と宮台真司が議論した。
 
小幡績おばた せき/慶應義塾大学大学院経営管理研究学科准教授
 1967年千葉県生まれ。92年東京大学経済学部卒業。同年大蔵省入省。99年退職。2001年ハーバード大学大学院経済学研究科博士課程修了。一橋経済研究所専任講師などを経て、03年より現職。経済学博士。著書に『円高・デフレが日本を救う』、『リフレはヤバい』など。
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ローパス

Author:ローパス
九条医療者の会の事務局を手伝っています。
鹿児島から発信する憲法9条と25条を活かす社会を作りましょう。

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