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田中龍作ジャーナル―【青森発】 脱原発・大竹候補 「核燃をなくしても雇用はなくならない」

田中龍作ジャーナルhttp://tanakaryusaku.jp/からの転載です。
■【青森発】 脱原発・大竹候補 「核燃をなくしても雇用はなくならない」
      2015年5月21日
    http://tanakaryusaku.jp/2015/05/00011235
   県知事選挙は「大竹VS三村」となった。「さまぁ~ず対決」とも呼ばれる。=21日、青森市役所前 写真:筆者=
    http://tanakaryusaku.jp/wp-content/uploads/2015/05/c9cede73c7568f1a1981d544de46aa08.jpg
 原発王国が続くのか、王国をひっくり返すのか。青森県知事選挙がきょう、告示された。
 4期目を目指す三村申吾知事(自・公推薦 / 59歳)と大竹進候補(社民・共産推薦 / 医師64歳)の一騎打ちだ。
 核漬けにされた青森県で脱原発を訴えてきた市民団体が擁立した大竹候補が、原発容認派の三村知事に挑む。
 大竹候補は青森市役所前で第一声をあげた。
 「青森県には大変危険な原発や核燃料サイクルがある。大間にはフルモックス原発が作られようとしている。県民の命を守るために方向転換して次のスタートを切る・・・」。大竹候補は現役の医師らしい立場から訴えた。
 大竹候補は昨年11月に立候補を表明して以来、診療の合間を縫って県内約50か所で大小の集会を開き県民と対話した。
 原発王国の中枢である六ヶ所村で「核燃をなくしても雇用はなくならない」と大竹氏が訴えると村民が手を振って握手を求めてきた、という。
 「六ヶ所村で脱原発デモをした時はヤジやツバが飛んで来たのに、大竹さんが話すと分かってくれる」― 選対幹部は苦笑する。
  大竹候補は「平和主義にもとづく県政をやっていかなければ県民の命を守れない」と訴えた。=21日、青森市役所前 写真:筆者=
    http://tanakaryusaku.jp/wp-content/uploads/2015/05/0ef178fe5465d48d66e53a46863bc0bc.jpg
 「大竹進を支援する全国医療関係者の会」代表代理の遠藤順子医師は、今回の選挙は安倍政権との戦いと位置づける。
 遠藤代表代理は「TPP(による混合診療、自由診療)で命に貧富の差をつけ、戦争法制で人が人を殺す安倍政権に大竹医師は明確に反対している」と強調した。
 短命県の汚名も返上しなければならない。青森県はガンの死亡率が全国1位なのだ。
 「3期12年間やってきて短命県から脱却できなかった三村知事に変えられるはずがない」。遠藤氏は厳しく指摘した。
 六ヶ所村・核燃料再処理工場の試運転開始時期(2001年)と青森県のガン死亡率が全国1位になる時期がほぼ一致しているとする説もある。
 放射能漏れ事故をはじめトラブル続きの核燃が、県民の健康に悪影響を及ぼさない道理がない。
 県民の命を守る戦いは、原発再稼働を強引に推し進める安倍政権との戦いでもある。
 今月10日、応援に入った山本太郎参院議員は「大竹さんが当選したら永田町がひっくり返る」と喝破した。
 原発政策の矛盾と虚構を一身に背負った青森県のトップが変われば、国の原子力政策をひっくり返すことも不可能ではない。
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住民監査請求は、棄却される!

住民監査請求は、棄却される!

7月1日に県内住民23人で行った「上海路線維持のための職員派遣 住民監査請求」は、8月1日付で鹿児島県監査委員は、「手続きに瑕疵はなく、職員派遣のための公金支出も行政の裁量権内」との結論し、住民監査請求を棄却しました。

監査結果通知書

 監査は、手続き論に終始しています。県OBや県議による監査は、内部監査であり公金の使い方に対する客観的な外部監査を求めましたが、それも認められませんでした。

今回の住民監査請求と監査結果の公開学習会を開催します。
 と き  2013年8月10日(土) 13:30~16:30
 ところ  鹿児島市「ボランティアセンター」(5階小会議室)

 どなたでも、参加できます。

 鹿児島県議会は、6月29日未明に、上海路線維持のための事業費を減額した補正予算を可決しました。
 県議会のチェック機能は、果たしていない現実を踏まえ、住民監査請求による差し止めを求めて7月1日、県内の住民23名で住民監査請求を行いました。

第1 請求の要旨
 鹿児島県は、中国東方航空鹿児島―上海線の維持存続を図るための緊急対策として、上海派遣短期特別事業費および上海線利用促進特別対策事業費(以下「本事業費」とする。)3400万円を2013年度一般会計補正予算案に計上し、その案は6月29日の県議会で可決された。
 しかし、かかる鹿児島県の予算の執行は、地方自治法2条14項が事務処理にあたって最小の経費で最大の効果を挙げるべきことを求め、地方財政法4条1項が地方公共団体の経費は、その目的を達成するため必要且つ最小の限度をこえてこれを支出してはならない、と規定していることに著しく反するものである。

第2 求める措置の内容
 監査委員は伊藤知事に対し、本事業による県職員ならび民間人の上海への派遣を中止するよう、勧告することを求める。

第3 監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査

鹿児島県職員措置請求書 鹿児島県知事及び鹿児島県教育委員会に関する措置請求の要旨

地元紙を中心とする報道記事はこちらへ

7月18日、鹿児島県の上海職員派遣に関する住民監査請求の意見陳述が午後3時半からありました。約1時間強、監査委員に対する請求人5名による意見陳述と監査委員から質問のやりとり。
 あらためて、今回の上海路線維持のための職員派遣の不当性を訴えました。
職員の研修については、鹿児島県職員研修規程、鹿児島県教育庁等研修規程」及び地方公務員法の研修規程にも違反していることを述べました。
 財源内訳においては、職員研修規程に基づく海外派遣であれば、財政調整基金を取り崩して充当することも明らかに違法な支払い行為だと思います。
 研修の為の支出計上と研修計画の決定過程も手続き的に瑕疵があり、監査委員はそのたことを踏まえて、監査すること。
さらには、監査委員の内部監査ではなく、個別外部監査-地方公共団体の、外部監査制度は、不正な公金の支出をきっかけに、行政から選ばれた委員による、内部監査ではなく、行政とは関係のない第三者による客観的な監査を担保するべく、できた制度-による監査を主張しました。
 今回の、不当な公金支出の、監査にこそ、個別外部監査制度を使うべきです。
 鹿児島県では、まだ一度も実施されていません。外部監査の公金支出問題として、本件はその要件をみたしていることを強く主張しました。

意見陳述-1  意見陳述-2  意見陳述-3


飯田市「再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」

 長野県飯田市議会は、3月22日 「再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」を可決し、4月1日に条例が施行されました。
 ◇飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例の要旨
   http://www.city.iida.lg.jp/iidasypher/open_imgs/info/0000000212_0000018745.doc
 ◇飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例の要旨
  http://www.city.iida.lg.jp/iidasypher/open_imgs/info/0000000212_0000018755.pdf

 飯田市が再生可能エネルギー条例を制定した背景と狙いと、この条例の画期的な意義について、NHKラジオあさいちばん「ビジネス展望」で取り上げられています。
 これからの地域づくりにとって、示唆に富む取り組みです。

「NHKラジオ あさいちばん『ビジネス展望』」http://www.nhk.or.jp/r-asa/business.html 2013年4月2日(火)放送分
  諸富 徹さん(もろとみ・とおる)/京都大学大学院 経済学研究科教授
■長野県飯田市の新条例と再エネビジネス振興
  http://www.nhk.or.jp/r-asa/businesswm04/1b2.asx

<要約を起こし>

Q 飯田市が再生可能エネルギー条例を制定した背景と狙いは?

A(諸富) 飯田市は、2004年から市民出資型の太陽光発電事業を推進しておりました。現在は、屋根借りビジネスと呼ばれています。個人もしくは企業の屋根を借りて太陽光パネルをおいていって、再生事業を展開している。開発をすることで太陽光パネルの普及拡大を計ることに大きな成果を上げてきた。この背景には民間地元事業者である「お日さまシンポエネルギー株式会社」がビジネスを推進していく、飯田市はその環境整備とか施策支援に収録しさらには、地元の地域金融機関も加わって、資金調達も安定化させる。公民がうまく役割分担をして連携してきたという事情があります。
 これらの実績を受けて、昨年の7月に導入された「固定価格買い取り制度」を本格的に活用して、風力、水力、バイオマスなど太陽光以外の再生エネルギー事業を飯田市で積極的に展開していきたいという狙いがあります。

Q こういう事業を展開していく意味で、今回条例が制定された?

A(諸富) 単にエネルギー事業を支援していくというだけではなく、条例名にも現れているのですが、持続可能な地域発展を目指す点に究極の目標を置いているというのが特徴だと思います。
 どういうことかというと、全国で大手企業がメガソーラーの開発を競っています。しかしそれだけだと売電収入は、これら大手企業に吸収されてしまいます。多少はありますが、地元にはほとんど恩恵がありません。本来水とか空気、土地といったものは地域に土着的なもので、それを享受する第一義的な権利は地域住民にあるのではないか、といった素朴な疑問がこういった条例の背後にあると思われます。
 そのために、この条例の第3条において、条文ですが、「現在の自然環境及び地域住民の生活と調和する方法により再エネを自ら利用し、そのもとで生活していく地域住民の権利」これは地域環境権ですが、これを謳っているのが画期的だと思います。

Q 企業が自由にビジネス展開をする権利は?

A(諸富) (諸大手企業がメガソーラー事業展開することがダメだといっているように聞こえないわけでないですが、この条例は大手企業が飯田市での自由なビジネス展開を排除するものでありません。ただ、市の姿勢としては地域環境権の考え方に基づいて、第一義的には再エネを利用する権利は住民にあるということ、従って自ら売電事業に乗り出していく住民組織との合意と協力に基づいて、再エネ事業に乗り出す民間企業を積極的に支援するという意図を条例を通じて明らかにしたと言えると思います。
 この条例は、再エネ事業を住民自らが立ち上げるか、外部の力を借りるんですが、再エネビジネスに住民が積極的に関与していく意思決定を住民組織が主導して行うことを支援の条件にしています。合意形成や利害調整を含めて、再エネビジネスに住民が主体的に動くことを期待し、うながす条例だということです。

Q 権利を明確にすると同時に、主体的に動くことを期待していると言う条例でもあるわけですね。飯田市は、この条例で具体的にどういう支援を行うことになるのですか。

A(諸富) まず第一に、この4月に発足します支援組織があります。この支援組織に対して指導、助言を行うと言うことがあります。この組織には私も加わっています。既に飯田市にはさまざまな再エネビジネス提案が持ち込まれています。条例の精神に基づいて、どの案件を支援の対象とするべきか、決定する役割がこの支援組織には与えられています。その上で、支援対象となった案件には、この組織に加わっている学識経験者、各領域の専門家によって、ひとつ技術的な助言、ビジネス面での助言、例えば法務的な問題とか資金調達のファイナンス問題における助言を行うことになります。
 第二の支援形態としては、条例に基づいて市は新たに基金を創設することになります。その原資を支援対象となる事業体に融資を行うことになります。なぜそういうことをするかというと、再エネビジネスは発電が始まれば売電収入が入ってくるんですが、事業開始までには、風力であれば風向調査、小水力であれば水量調査をやらなければいけません。これらには丸一年にわたります。それに加えて環境アセスメント、発電、送電設備の建設のために巨額な費用がかかってしまいます。このために体力がない中小企業や住民組織は、売電収入が入るまでの間は、資金調達に窮してしまいます。これを解決するのが、基金からの融資になります。
 理念、方向性のみを書き込むこと従来の自治体条例とは異なって、目標を実現する手だてを具体的かつ詳細に書き込んでいるのがこの条例の大きな特徴です。

Q 実際に使えるツールとしての自治体条例の姿ですね。この意義は、どのようにとらえていらっしゃいますか。

A(諸富) これは小さな一歩なのですが、地域振興の大きな転換点になるだろうと思っています。
 第一は、大企業誘致に成功すれば何とかなるという、大企業信仰からの脱却という意味合い。
 第二は、大規模公共事業を持ってくれば何とかなるという、公共事業による振興からの脱却。
 これまで、これらは地域に所得と雇用という恩恵をもたらしてきたわけですが、しかし今や相次ぐ大手企業の国内工場の閉鎖や海外移転、公共事業の継続的な縮小によって、実はこれらの恩恵がどんどん縮小していって、もはや展望が描けなくなってきた、というのが実状です。問題なのは、これらに頼ってきた地域の側で自ら問題を解決するのではなくて、御上や大きな物に頼っていく振興が生まれてしまったということだと思います。
 求められているのは大きく転換して、住民が結束して自らリスクを取って、ビジネスを始めていく気概を持つことだと思います。それを可能にする条件がたまたま「固定価格買い取り制度」で与えられたわけです。この機会を見逃す手はないと思います。
 そして、自治体による住民ビジネスのモデルを示したのが、この飯田市の条例だと評価できると思います。他の自治体でも自分たちで何ができるのか、そして飯田モデルを手かがりにして是非、考えていただきたいと思います。

社説:政務活動費/使途拡大は改革に逆行する

 改正「地方自治法」の中で、議員の政務調査にかかわる費用使途の拡大がなされました。
 これまで、政務調査費については、霧島市でも裁判をやってきました。県議会に対しても使途について改善の申し入れ等を行ってきましたが、今回の改正は河北新報の「社説」にあるように、明きからかに逆行するものです。
 825日から26日に青森県弘前市の弘前文化センターで開催された第19回全国市民オンブズマン大会http://www.ombudsman.jp/taikai/においても、反対の決議が上げられています。
 地方自治法の政務調査費条項の改悪に反対する決議
 http://www.ombudsman.jp/data/2012seimuketsugi.pdf


河北新報の<社説>です。
≪政務活動費/使途拡大は改革に逆行する≫
 http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/08/20120831s01.htm

◆地方議会の会派や議員に支給される政務調査費(政調費)を「政務活動費」に改称し、使途の拡大を可能にする地方自治法の改正案が今国会で成立した。
 従来の政調費は議員報酬とは別に、調査研究に必要な経費として支給されてきた。改正案は、これに「その他の活動」を加えて幅広い使い道を認めた。
「議員活動の活性化に寄与する」との触れ込みだが、審議のプロセスはあまりにも性急で、何らかの深謀遠慮があったのではないかと疑いたくなるほど不自然だった。

■そもそも今回の自治法改正は内閣の提案であり、議会の権限拡大や首長に対する監視機能の強化に主眼を置いていた。鹿児島県阿久根市で、前市長が議会を無視して専決処分を乱発した数年前の騒動を踏まえての対応だ。
 ところが、政務活動費の部分だけは、民主、自民、公明、生活の与野党が共同で修正案を追加提出している。
 衆院では午前9時に修正案を提出し、3時間後には委員会採決で可決という早業。参院も、野田佳彦首相の問責を決議した日に可決した。
 どさくさ紛れの便乗提案とスピード採決は何を意味するのか。使い道が拡大して得をするのは誰かと考えると、一つの推論が浮かび上がる。

■議員1人当たり月35万円(年420万円)の政調費を支給している仙台市議会を例に考えてみよう。
 7月に公開された収支報告書を見ると、電話代、印刷代などの事務費は、多くの議員が経費を案分して政調費に計上している。議員としての「政務」と所属する政党の「党務」で線引きが難しいための苦肉の策だ。
 調査に限定されていた使い道が議員の活動全般に拡大されれば、経費を案分するなどの配慮も不要になる。解釈次第では党務への流用も可能だろう。
 公費を政党活動に使えるよう仕向けるのが与野党による追加提出の真の狙いだった、と見るのはうがちすぎだろうか。

■政調費の支出をめぐっては、これまでも繰り返し不透明さが指摘されてきた。全国市民オンブズマン連絡会議によると、政調費の支出をめぐる住民訴訟は全国で70件を超え、うち47件で訴えが認められている。
 弘前市で25、26日にあった市民オンブズマンの全国大会では「およそ議員の調査研究と関係のない使い方をも合法化できる余地を与える」と、今回の改正案に反対する緊急声明を発した。
 地方議会では近年、政調費の支出を公開する取り組みが広がっていた。やらずもがなの改正は議会改革に逆行し、住民と築きつつある信頼関係をも分断させかねない。
 政務活動費の交付対象はこれまで同様、それぞれの議会が条例で定める。
 甘い汁に惑わされることなく、自らを厳しく律してこそ透明性は確保され、住民の信頼もつなぎ留められると、地方議会人は自覚してほしい。
  2012年08月31日金曜日

地域の未来のために<1>合併悔やみ「独立運動」

霧島市も「平成の大合併」から6年が経過してきています。
合併の検証がなされてきているかというと、そうではありません。旧隼人町時の行政サービス(老人給食の宅配と見守り、生涯学習、資源ゴミの分別収集、議会改革など)が合併によって後退してきている現実があります。

熊本での合併を見直し、「独立運動」の動きは、大変興味深いものです。合併から分離独立へ、ハードルは高いですが応援したい!

≪地域の未来のために<1>合併悔やみ「独立運動」≫
 http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20120404-OYS1T00238.htm

◆田園風景が広がる熊本県菊池市の泗水(しすい)町。中心部を走る国道387号沿いに、壁に大きく「今、合併を見直すときです」と書かれたプレハブ小屋が立つ。合併した市から離脱し、町に戻ろうという全国でも異例の「独立運動」の拠点だ。
 「『なぜ合併したのか』『だまされた』と住民からおしかりを受ける。合併を進めた一人としておわびしている」。最後の町長だった松岡一俊さん(71)は小屋のいすに座り、複雑な表情を見せた。
 泗水町は2005年3月、菊池市、七城(しちじょう)町、旭志(きょくし)村と合併し、新菊池市となった。それを見直す動きは、合併協定書の最初のページに記された新庁舎建設の白紙撤回が引き金だった。
 新庁舎は現庁舎(旧菊池市役所)より町寄りに建つ計画だった。だが、福村三男市長(71)は昨年11月、用地取得の遅れなどを理由に、現庁舎の増改築で対応すると表明。市議会も関連議案を可決した。
 商店街の歩道改修、市民広場の整備――。それまでも、市が予算を投じるのは旧市中心部ばかりとの思いがあった。松岡さんらが行動を起こすと、歴代町長や町出身の元市議、元市部長ら公職にいた人たちが次々加わった。「泗水をよくする会」を結成し、1月末に開いた集会には約600人が参加。くすぶっていた不満が一気に表面化した。
 「独立」は合併同様、地方自治法に基づき、市議会と県議会の議決が必要になる。会は市と市議会に提出するため、町の有権者(約1万2000人)の3分の2超を目標に署名運動を始める。
 福村市長は「庁舎問題は議会の議決を経て決めた。なぜ運動が起きるのか困惑している。合併効果が出るまでに時間がかかる事業もある」と語る。
 「平成の大合併」で誕生した自治体から、旧市町村が離脱した例はない。しかし、松岡さんは考える。
 「泗水だけの問題ではない。合併を悔やんでいる地域はほかにもある」

「合併の影響 検証すべきだ」
◆熊本県菊池市泗水町は農業で栄えてきた。熊本市から北東に約15キロ。通勤通学圏内にあり、新興住宅地の開発も進む。人口は今年2月には1万4947人を数え、合併前より500人以上増えた。
 しかし、市全体では、合併時の5万2788人から約1500人減った。中心部の隈府(わいふ)地区の商店街(約200店舗)は、2004年に31店だった空き店舗が5年間で53店に増えるなど、衰退に歯止めがかからない。
 合併で財政規模が大きくなれば、社会資本が整備され、総人口も増えて地域の底上げにつながる。市役所だと部署も多くなり、行政サービスは向上する。泗水町の住民たちはそんな青写真を描いていた。
 「7年たったが、合併の効果が見えにくい」。泗水地区地域審議会長の佐美三(さみそう)信雄さん(67)はため息をつく。元泗水町長の松岡一俊さん(71)はこまめに公民館などを回り、住民に「小回りのきく自治体を取り戻したい」と訴え続けている。
              ◇
 国は10年以上にわたり、「平成の大合併」を推進した。1999年3月に3232あった市町村は、1727とほぼ半減。行財政の効率化は進んだが、ひずみが生じたケースも少なくない。
 東日本大震災で、自治体として最も多い4000人弱の死者・行方不明者を出した宮城県石巻市。05年4月に6町と合併し、面積は4倍になった。日本一のすずり産地、旧雄勝(おがつ)町もその一つに含まれる。
 「合併しない方が早く復興できた」。名振地区の自治会長を務める漁師の大和久男さん(57)は、津波で全壊した自宅跡を見ながら、悔しそうな顔になった。
 震災後、市職員は旧石巻市内を中心に避難者が多い学校などに張りついた。一方、189人が身を寄せた同地区の公民館には現れず、住民だけで運営した。大和さんは市雄勝総合支所に毎日通い、「仮設住宅を早く整備して」「岸壁を直してもらえないか」と頭を下げた。答えはいつも「(市の)本庁に伺いを立ててみます」だった。
 車で50分かけて本庁にも行ったが、収穫はなく、亀山紘市長(69)とも面会できなかった。結局、自分たちで民有の山林を造成し、仮設住宅の敷地を確保した。
 町長とすぐに面会できた町役場は市支所に姿を変えた。職員数も合併前の半分の約35人になった。昨年4月から市に高台への集団移転を求めているが、見通しは立たない。「国に直接ものを言える町の方が良かった」。大和さんはそう思う。
 市にも事情はある。職員数は合併から5年で20%減った。亀山市長は「合併によりマンパワーが不足していることは明らか。初動が遅れ、混乱した」と認める。
            ◇
 ただ、マイナス面ばかりではない。
 菊池市は小学6年生以下が対象だった医療費の助成を、昨年度から中学3年生にまで拡大した。市は「合併で予算規模が拡大したから実現できた」と説明する。
 旧雄勝町は、約4300人いた人口が大震災後に約1000人に減った。住民の多くは合併相手の旧市町にある仮設住宅や借家で暮らす。最後の町長だった山下壽郎(じゅろう)さん(78)もその一人。「合併したおかげで、小さな雄勝を石巻市全体が支えてくれている」と実感する。
 「住民は『合併する前とした後』を比べがちだ。だが、厳しい財政などを抱え、合併しなかったらどうなっていたか、も考えてほしい」。合併の旗を振ってきた総務省幹部はそう強調する。

★昇秀樹・名城大教授(地方自治論)は「自治体は第三者による評価委員会を設置し、合併の影響を検証すべきだ。そのうえで、住民の不満がくすぶっている課題の解決策を考えていかねばならない。自治体の中心部と周辺部が互いの立場に配慮し、一体感をつくろうとする姿勢も大事になる」と指摘する。
             ◇
 合併、都市制度、地方分権、自治体財政――。地域に共通する課題を見つめ、市町村のあり方、住民にできることを考える。

<平成の大合併>
 自治体行政の効率化と財政基盤の強化を目指し、国が推進。1自治体あたりの人口は3万6387人から6万9067人に、面積も114・8平方キロから215・4平方キロに倍増した。合併について尋ねた読売新聞の世論調査(2008年2月)では、「住民サービスが良くなったと思う」が25%だったのに対し、「思わない」が63%。「行政の無駄が減ったと思う」も42%にとどまり、「思わない」の49%を下回った。
(2012年4月4日 読売新聞)
プロフィール

Author:ローパス
九条医療者の会の事務局を手伝っています。
鹿児島から発信する憲法9条と25条を活かす社会を作りましょう。

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